最近、赤い忍者をよくテレビで目にするようになりました。
「0570オー!みないいきゅうふー、で確認じゃ♪」
と歌っている目立ちまくりの忍者です。
【You Tube】
確認じゃ!臨時福祉給付金〈経済対策分〉のテレビCM(30秒ver)
どれくらいの人がもらえるの?
過去の資料があった
過去の給付金の資料がありました。
参考:(臨時福祉給付金)の概要 - 厚生労働省tp0115-1-13-13d.pdf
平成28年度は2200万人を想定していたようですね。
ざっくり計算してみた
大ざっぱに言うと世帯収入が200万円以下の世帯はもらえる可能性が高いです。
平成27年国民生活基礎調査によると、
- 総世帯数が5036万1千世帯
- 世帯収入が200万円以下の世帯数は全体の20%
- 平均世帯人員数2.49人
参考:調査の概要|厚生労働省
これらを総合すると、5036万1000世帯✕0.20✕2.49人=2507万9778人です。
2200万人と300万人くらいの誤差がでたけど、計算自体ざっくりなのでだいたいそんなもんかな。
5人に1人
日本総人口は1億2709万4745人(平成27年国勢調査による日本総人口、外国人を含む*1)だそうなので
2200万人÷1億2709万4745人✕100=17.3099.....
総人口の約17%の方が臨時給付金を受け取れるようです。
ざーーーーっくり言うと日本に住んでる人の5人に1人はもらえる。
予算
全員が受け取るといくらになる?
臨時福祉給付金は1人あたり15000円です。
想定されてる支給対象者の人たちが全員受けとると、2200万人✕15000円で
3300億円
経費
ただ、もちろん実際に払われるお金だけじゃなくてあの頻繁に流れるCMやら、人件費やらかかるわけです。
いくらぐらいかかるのかなと思ったら過去の資料に参考値が載ってました。
だいたい
373億円
参考:(臨時福祉給付金)の概要 - 厚生労働省tp0115-1-13-13d.pdf
予算トータル
政府発表の支給対象者2200万人で考えたとしても、
3673億円
が臨時福祉給付金で消えていきます。
追記:実際にこの金額が予算計上されてました。
住民税が非課税の人に支給する簡素な給付措置(臨時福祉給付金)について、31 年9月までの2年半分(1人 1.5 万円)を一括して措置するため 3,673 億円が計上され た。
引用:2年ぶりの経済対策を受けた平成28年度第2次補正予算
ちなみに同じ補正予算で
- 熊本地震からの復旧・復興(4,139 億円)
- 東日本大震災からの復興の加速化(5,456 億円)
- リニア中央新幹線や整備新幹線等の整備加速(3,212 億円)
なんかが計上されてました。
3673億円で何ができるかなんとなくわかります。
意味のない15000円
臨時福祉給付金の15000円はどう使うべきなのでしょうか。
15000円入ったから今月はちょっと贅沢できるね!という使い方はしては駄目なお金です。
なぜならこの臨時福祉給付金が配られるのは、所得の少ない方に対して消費税率の引上げ(5%→8%)による食料品の支出額の増加分を補うのが目的だからです。
それはわかります。
確かに消費税8%って結構痛いです。いまだに税抜き表示のものを持ってレジに行くとびっくりすることある。ついついお財布確認しちゃうことある。
低所得世帯にとってはなおさらです。
でもね、この15000円って2年半分なんですよ。
そんな人いない
今回の臨時福祉給付金(経済対策分)は平成29年4月から平成31年9月までの2年半分を対象とし、1万5千円を支給します。
引用:確認じゃ!臨時福祉給付金(経済対策分) | よくある質問
1年あたり6千円計算でその2年半分なんだそうです。
でもこんな配り方してもさ、
「消費増税分15000円きたからそれを30ヶ月で割ってひと月500円ずつ使うぞ!」
なんて人いねーでしょ。
下手したらそのままパチンコしにいって終わる金額です。
なにもしなくても1ヶ月や2ヶ月で何に使ったかわからないまま消えていくような金額です。
これって意味ある??
もう少し細かい視点
どげんかせんといかん宮崎県の地方都市である都城市の人口は約17万人です。
平均年収は254万4185円、人口の56%が年収300万円以下です。
仮の話
年収200万以下の人の人口割合のデータが得られなかったので、ここからは仮の話です。
都城市の年収200万以下の人口割合が10%もしくは20%だった時、いくらくらいのお金が都城市に落とされるのか見てみましょう。
10%の時
17万✕0.1✕15000=255000000
2億5500万円
20%の時
17万✕0.2✕15000=510000000
5億1000万円
あくまで仮の話
あくまで仮の話ですが、ざーっと計算すると2億から5億くらいのお金が都城市内にもたらされ、よくわからない使いみちで消えていくわけです。
そしてこれが日本全国の街で行われる。
よくわからないもののために3673億円が消えていく。
富の再分配
都市部のほうが平均年収が高く、地方に行くほど平均年収は低くなる傾向があります。
なので、この臨時福祉給付金は簡単に言うと、首都圏やその他大都市から吸い上げたお金を地方都市へ分配する制度とも言えなくはないです。
なんか似たような制度があったような。。。。。
ふるさと納税
先程とりあげた都城市は2015年にふるさと納税寄付額が全国1位になりその知名度をあげました。
そのおかげで2016年にはさらに寄付額を増加させたそうです。
都城市へのふるさと納税寄付額2015年度:42億3100万円
都城市へのふるさと納税寄付額2016年度:71億円
参考:ふるさと納税:都城、倍増71億円 全国1位で知名度向上 - 毎日新聞
使い道
参考:寄附金の使い道 | 使い道と実績 | 宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト
リンク先を見てもらうほうがはやいですが、本当に必要かどうか頭をひねるものもありますね。
なんだろう、無理やりお金使ってます感?
急に金持ちになったから使い道分かりませんって感じですね。
臨時福祉給付金は意味がない
僕は父が倒れてから、収入が一気に減りました。
自宅介護や通院などでできる仕事は限られてしまいました。
このまま何もしなければ住民税非課税の世帯になってしまうかもしれません。*2
でも、そんな僕が断言します。
臨時福祉給付金は制度として意味がない、いらないです。
ある程度使い道に目的をもった(?)ふるさと納税ですら、その使用方法に疑問をもつものがいくつもありました。
臨時福祉給付金はさらにタチが悪い。
だってその使用目的すら決まってないのですから。
受け取った人が何に使っても良い。馬鹿げてる。
誰が得するの?
CM制作会社か、CMを流すメディアか、最終的にはそのスポンサーとなる政権か。
安倍首相は就任以来、大手マスコミ幹部との会合を繰り返してきた。こうした馴れ合いや癒着関係はマスコミの最大の責務でもある「権力に対するチェック機能」を奪い、政府にとって都合のいい情報を流す“宣伝メディア”に成り下がらせた。さらに直接的にメディア企業の利益となる政府広報費が増えるとなれば、癒着の構造は一層進むだろう。
引用:安倍政権で「政府広報」予算が倍増!「ジャンプ」「ViVi」にまで政策PR広告バラマキ|LITERA/リテラ
はたまた、臨時福祉給付金の手続きに必要な雇用も(無理やり)生み出しているでしょう。
意味のないバラマキの影には別の意味が隠されているのかもしれません。
税金の使いみち
税金って皆から集めたお金を集中的に投資して効果をあげるために使うものなんじゃないですかね?
臨時福祉給付金の予算は3673億円でした。
日本の人口1億2700万人から3000円ずつ集めるとこの予算に達します。
そして日本に住む5人に1人15000円ずつ配るわけです。
5人集まって3000円ずつテーブルに置くと15000円になります。そしてその中で一番お金のない人に15000円全額渡します。臨時福祉給付金ってこれを国レベルで強制的にやってるだけだからね。*3
この作業になんの意味、なんの生産性、なんの未来があるのでしょうか。
はなはだ疑問であります。
以上、『税金の使い方があまりにも酷い|臨時福祉給付金て5人で3千円ずつだして1番お金のない人に全額渡すのを国レベルでやってるだけ』でした!